2025年も大学入試のシーズンがやってきました。
<概略> (カッコ内は解くのにかかった時間)
1.小問集合
(1)複素平面 (10分)
(2)倍数の個数(30分)
2. 曲線の接線・ベクトル(35分)
3. 確率漸化式(30分)
4. 不等式証明(40分)
5. 線分の長さの最大値(40分)
計200分
<体感難易度>
1(1)<3<1(3)<2<5<4<1(2)
去年と比較すると明らかに難化したように感じます。一部の小問を除いてボリュームが多い上にテンプレな問題が少なく戸惑った人も多いかと。穴埋め式で部分点が狙えない仕様も相まって点を取りにくいセットだと感じました。
<個別解説>
第1問

恒例の小問集合です。
(1)複素平面の問題で、このセットでは貴重なテンプレ小問です。是非とも得点しておきたいです。両辺を2乗して整理していきます。
(2)倍数の個数に関する問題です。
ウ:こちらは直接数え上げてしまうのが最も確実ですね。是非とも得点したいです。
エ:6の倍数、8の倍数、9の倍数の集合でベン図を描くことでanをnの式で表現することをまずは目指しましょう。
ここまでなら何とかなるでしょうが、問題は、an=1000を直接方程式のように解くことができないことです。なので、予めnにあたりを付けて実際に代入してanの値を逐一チェックする必要があります。
anがガウス記号の和で表現できているので、不等式評価することはできます。この評価式の左辺右辺が1000に近くなるnが今回のあたりとなるので、その周辺からanの値を調べていくのが良いと思います。
とはいえ、本当に値が1000になってくれるかは実際に代入して試してみないと分かりませんし、その度に5つの割り算とそれらの和の計算を強いられるわけで自ずと計算量が多くなります。
個人的にはこのエこそが今回もっとも厄介な小問であり、手間がかかる割に穴埋め解答なのでミスして失点するリスクが高いというコスパの悪い小問だと思います。本番では捨てる、ないし後回しにして時間に余裕があれば挑戦する、でよい気がしますね。
(3)逆関数の微分を考える問題で、逆関数に慣れてないと解答が厳しい問題だと思います。
g(x)の逆関数を含んだ合成関数の微分を考えるので、g(x)の逆関数の微分を考えることが避けて通れません。g( g(x)の逆関数) = xという逆関数の定義そのものを利用しましょう。
極値を与えるxがt^3+tという如何にもな形になっていて、実際g(t)=t^3+tとなっています。この結果からg(x)の逆関数を消去できるという事実が、オを答える際のヒントになります。
オさえ解けてしまえば、あとはその結果を積分すればカが求まります。
<筆者の回答>




第2問

曲線の接線・ベクトルの問題で、細かく分解すればテンプレ問題の集合でありつつも、計算がかなり煩雑です。
(1) 接点のx座標をパラメータtで表示してCの接線の式を調べておくことが肝要です。(※このtは(3)のそれとは別物です。(3)を見ずに解き始めた結果文字が被ってしまいました・・・)
もし仮に接線がQを通るんだとすると対応するtが見つかるはずなのですが、今回の場合はtが虚数となってしまい不適となります。この方向で記述すればOKでしょう。
(2)Pを通る場合のtの値を求めれば接線の式キ、Aの座標クが求まります。
ケについては、Bの座標を文字で置いて与式に代入して解けばいいのですが、ベクトルの内積の計算がかなり煩雑で計算ミスをしやすいので要注意です。
そしてこの問題の怖いところは、ケをしくじると芋づる式に(3)も失点確定となってしまうところです。(3)に行く前にケの計算の見直しを優先すべきです。
(3)S,Tの座標それぞれを比の関係からベクトルを用いて計算していきます。ここでも分数の計算が多く意外と煩雑です。uvの式は見るからに相加相乗平均が使えそうな形になります。
<筆者の回答>


第3問

確率漸化式の問題です。今回のセットでは全体を通して典型問題であり特に難所もないので、完答したい大問です。
(1)Pだけが+2進む、あるいはQだけが+2進んで、もう一方は動かない状況を考えればいいですね。
(2)PとQの座標の差をP-Qと表すことにして、P-Qの状態の推移を図にするとよいでしょう。そうすることで3本の漸化式を立てることができます。
タを見るとxnとznは定数倍の関係にあるらしいので、xnとznの漸化式からynを消去することを試すとよいと思います。
(3) 線形代数の知識があれば、(2)の2本の漸化式から直接行列を作って、その固有値・固有ベクトルを考えることで漸化式を解くことが可能なのですが、線形代数の知識がなくても解けるよう、問題文のような誘導が付いています(等比数列の形を作る、というのがその心です)。
(2)の結果を素直に式に代入して係数比較すればOKです。
(4) (1)で描いた図から、pnはznだけの式で書くことができます。なので、znの一般項だけ調べれば十分です。(3)の結果から2本の関係式が求まるため、ynを消去しましょう。
pnが求まったら、念のためn=2のときの結果がシと一致するか検算するとよいでしょう。
<筆者の回答>


第4問

積分や級数と絡んだ不等式証明の問題です。若干発想力が必要になる箇所がありますが、基本的には誘導に素直に従っていけばよいです。
(1) これは単純な積分計算と極限計算のため絶対に落としたくないですね。
(2) (1)と同じ形の今度は級数を扱います。Σを直接計算することができないわけなのでいきなり不等式評価を試す必要があるのですが、慣れてる人なら即座に「面積で比較すればいい」と思いつけるはずです。
とはいえ、馬鹿正直に短冊全てを積分で置き換えると評価が甘くなってしまいます。ここでは、kが小さいところでは正確に値を求め、kが大きいところでは積分に置き換える、という方針を取ることで精度を上げていきます。今回の場合は、短冊2個分まで正確にカウントするとうまくいきます。
もっとも、この(2)が解けなくてもその結果だけ使えば(5)に挑戦できるため、悩んだら後回しでもいいと思います。
(3)多項式と三角関数の積の形の積分計算です。このタイプは迷うことなく部分積分です。
(4)絶対値が絡んだ積分です。まずsinの中身をθ=kxとシンプルにすると見通しが良いです。y=|sinθ|のグラフを考えると、π周期で同じ形の山が延々と繰り返される格好になっているので、実質0~πの積分を計算し、それを2k倍すれば事足りることになります。
(5)この大問のメインディッシュです。
まず、値の範囲を与えられているのがf(x)ではなくf'(x)になっていること、そして(4)ではsinだったのにanの中身がcosになっていることに注目しましょう。
この2つの違和感が、anの式で部分積分を一回噛ませると解消できることに気付けるかが、この小問の大きな明暗を分けます。
部分積分でf'(x)とsinを出現させることが出来れば、問題文冒頭にある不等式を使って|an|を上から抑えることができます。この不等式は大学以降でも頻繁に使う重要な評価方法です。
そうすると、(4)の結果から|an|<4M/kと評価でき、これをTnの式に代入することで(2)の結果が使えるようになります。あとは、M^(3/2)の係数と23との大小評価を行なえば完了です。
<筆者の回答>


第5問

線分の長さの最大値を考える問題です。
AB=y, BC=xとなっている事実を使えば、ヌは容易に計算できるはずです。
(解答でcosとsinを逆にしてしまってます・・・結果には影響しませんが)
ネ以降については、xとyをk/nの式で表現し、どっちがLn(k)になるのかをkの範囲で場合分けして求めることになります。境目はヌの結果から判断できます。
ネ~ハについては、実際にk,nに値を代入して直接値を調べた方が早いです。ここでの実験をヒ、フで生かしていきます。
さて、ここまでの結果から、La(k)は、
・k<a/√2では単調増加
・k>a/√2では単調減少
であることが分かるので、最大値の候補はk=[a/√2]かk=[a/√2]+1となります。
この2つのkでの両者の値が等しければ、「La(k)が最大となるkが2つある」の条件を満たすことが分かります。というわけで、そうなる[a/√2]の式をaの式で表現できれば実質OKだということになります。
ヒの結果にはルートが含まれていてmが整数なので、aの値は2a^2 -1 が平方数になるような値でないといけないと分かります。ノ・ハではa=5のケースでしたが、2a^2-1=49となっていて、確かに平方数になっていますね。
その後、b=3a+4m-2を考えるわけですが、「Lb(k)が最大になるkは2つある」とさも当然のように書いてあって本当かよ?となります。これは実際に計算すると分かります。
フは、ヒの式でaをbに取り換えたものになるわけですが、aとmが混ざった状態ではどうにもならないので一旦ヒの結果を使ってbをaだけの式にしてから代入します。
依然かなり複雑な式ですが、2重根号の形になっています。「ひょっとして2重根号が綺麗に外れてくれるのでは?」と期待しながら、意識して式変形をしていくと、無事2重根号が外れてくれます。
残ったルートの部分はmで置き換えることができるため、これで無事に問題文の要求通り、aとmの1次式で書くことができるわけです。
余談ですが、明らかにb>aなので、「Ln(k)が最大になるkが2つある」を満たすnをフの関係式から次から次へと作ることができることが分かり、結局この条件を満たすnが無限個あることが分かります。これはとりもなおさず、2a^2 -1の形で書ける平方数が無限に存在することの証明にもなっています。
<筆者の回答>


